SFC発行の条件と搭乗フライト
SFCを発行するには、年間50,000プレミアムポイント(PP)を貯めてANAプラチナメンバーになることが条件です。この目標に対し、例えば「SUPER VALUE 75」という運賃種別を利用すると、羽田-那覇間を18往復することで達成できることが分かりました。
しかし、羽田-那覇ばかり18往復するのは現実的に飽きるでしょうし、自分の修行趣旨にもあっていません。そのため、他に利用可能な路線や効率的な運賃を検討する必要があります。まずはANAの運賃種別について理解を深めましょう。
ANAの運賃の決まり方
ANAの運賃は、空席予測に連動した運賃制度を採用しています。公式サイトにも掲載されていますが、これがまた初心者には難しいところです…。
参考:空席予測に連動した運賃
https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/plan/fare/domestic/vacant-seat-prediction/
この制度についてわかりやすく言うと
- 各路線ごとに、例年の販売実績から繁忙期には高く、閑散期には安く、基準価格を決める
- フライトまでの残り日数と空席数に基づいて、価格が日々リアルタイムに調整される
- さらに、特定の日数よりも前に購入すると追加で割引が適用される「運賃種別」がある
という制度になっています。大枠では、フライト時期が近くなってきているけど座席が空いている便は安くなる、という事です。じゃあ一体いつ予約すれば良いのか?という疑問ですが、実際に座席の値段を調べながら予約してみたところ、出発の2~3か月前が安く買いやすいタイミングになることが多いようでした。
また、当然ですが平日の方が席に空きができやすく、平日を絡めて旅程を立てられると航空券代を抑えやすくなります。
ANAの代表的な運賃種別
様々な要因で決定する航空機の運賃ですが、路線の価格基準はこちらではコントロールできず、空席についても平日を使う以外は運になるでしょう。それに対して、「運賃種別」は自分達の意思で決定できますので、これについて詳しく見たいと思います。
SUPER VALUE 75
- 最も一般的な普通席運賃で、フライトの355日前から予約可能です
- 75は「75日前まで」を意味していますので、それよりも近いフライトの場合は55、45、28と短くなっていきます。その分割引率も下がってチケット代は上がっていきます。
- PPの積算率は75%、搭乗ポイントは0のため、一度に多くのPPを稼ぐことはできません。
この運賃が最もPP単価を下げやすく、SFC修行の基準になります。
SUPER VALUE PREMIUM 28
- ANA国内線の一部に設定されている「プレミアムクラス」に搭乗できる運賃種別です
- 座席が広くなるのに加え、機内食も付いてきます
- 年に2回、1月下旬と8月下旬に、向こう約半年分の運賃が発表・設定されます。
- 2024年実績では1/23に3月末~10月下旬を、8/20に10月末~3月下旬を、それぞれ発表していました
- 参考:2024年3月31日~2024年10月26日ご搭乗分の国内線各種運賃を設定
- PPの積算率は125%、搭乗ポイントは400のため、一度に多くのPPを稼ぐことができます
この運賃種別はPP単価では通常のSUPER VALUEに劣ることが多いのですが、著しく劣化する訳ではなく、一度に多くのPPを稼ぐことができます。そのため、少し金銭負担が増えたとしても、時間効率を重視する場合には利用する価値があります。
SUPER VALUE TRANSIT 75
- ANA国内線のうち、乗継便による長距離フライトに設定される運賃種別です
- 通常の乗り継ぎは、自分で2つの便を予約し非公式に乗り換えることになりますが、この運賃種別ではANA側が指定した2便を1セットとして予約します
- 75は「75日前まで」を意味していますので、SUPER VALUEと同じく、出発日が近づくと55、45、28と短くなっていき、割引率も下がります。
- PREMIUMと同じタイミングで発表、設定されるため、1月下旬に発表される3月末の運賃の場合、発表時点で55しか予約できないことになりそうです。
- PPの積算率は75%、搭乗ポイントは200のため、一便ごとのPPはやや少ないのですが、2便1セットのため搭乗ポイントは確定で400貰えます。さらに、乗り継ぎが必要ということはそれだけ長距離を移動するため、自然と獲得PPは多くなります。
- 加えて、自分で別々に2便を予約した場合よりも運賃が安くなるため、PP単価の観点ではかなりお得になります。
この運賃種別は、長距離路線にしか設定されないこと、発売時期が限られることがネックですが、PP単価の観点では優秀になることが多いようです。
特殊ケース:直前アップグレード
SFC修行に狙って組み込むことは難しいのですが、ANA国内線では、搭乗2日前から「アップグレード」が可能な場合があります
- 以下の条件を満たしている場合、先着順でアップグレードを行うことができます
- 搭乗日の2日前午前0時を過ぎていること
- プレミアムクラスが設定されている便で、SUPER VALUEやSUPER VALUE TRANSITなど、一般座席を予約していること
- その便のプレミアムクラスに空きがあること
- アップグレード料金を支払うこと
- アップグレードを行うと、PPの観点では以下の変化があります
- 積算率が75%から、125%にアップします
- 搭乗ポイントは据え置きで変化しません
アップグレードを活用することで、通常よりもお得にプレミアムクラスを利用でき、単価を抑えながら多くのPPを獲得できる場合があります。しかし、アップグレード料金も意外に高くてむしろ単価が上がってしまう場合があることや、先着順のためすぐに埋まってしまうなどの課題があります。半年や一年をかけて、ゆっくりSFC修行をする場合には、活用を検討しても良いかもしれません。
まとめ
今回は、SFC修行でよく使われる3種類の運賃種別と、4つ目の選択肢「直前アップグレード」について説明しました。ANAの運賃種別と価格変動の仕組みを理解することで、効率的なPPの貯め方を考えられるようになります。
次回からは、国内主要路線の運賃別獲得PPや、閑散期に乗れた場合のPP単価について、具体的なデータをもとに検証していきます。