ANAのSFC(スーパーフライヤーズカード)は、クレジットカードが本体であり、「クレジットカードの特典」という形でANAプラチナステータスに相当する優待を受けられる仕組みであることは学びました。
ところが、SFCの中にもたくさんの種類のカードがあり、どれを発行すれば良いのか分かりませんよね。それにも関わらず実は、どのSFCを発行するかは、修行開始前に決めておくことが推奨されます。
そこで今回は、SFC修行達成後に発行可能なSFCについて、その特徴を整理し、個人的なオススメをまとめたいと思います。
注意:年会費や還元率、付帯保険サービスは変更される可能性があります。最新の情報は各社の公式サイトで確認するようにしてください。
発行したいSFCを事前に決めておくべき理由
SFCの比較の前に、なぜ前もって決めたほうが良いのかから解説します。
理由その1:審査落ちリスクの回避
SFCはクレジットカードであるため、その発行には審査があります。PPを50,000達成した後、いざSFC発行を申し込んだときに審査落ちしてカードが発行できないような事態に陥ってしまうと、SFC修行の意味がなくなってしまいます。
そのリスクを回避するための手段として、同種のANAカードを事前に発行しておくという方法があります。事前にANAカードを発行した状態では、現在のカードを切り替えるという形でSFCカードを発行できるため、事前に審査落ちのリスクを回避できるのです。
理由その2:ANA便に乗る場合はANAカードがお得
これは単純な理由で、ANAカードを持っているだけで、ANA便はお得に乗ることができます。航空券購入時のマイル還元率も通常より高くなり、飛行機に搭乗した際のマイルにもボーナスが付きます。
SFC修行を行う場合、通常は50万円前後の航空券代を支払うことになり、50,000PPと同時におよそ25,000マイルを獲得することになります。航空券代金のマイル還元については、他のお得なクレジットカードで支払っても良いかもしれませんが、搭乗マイルにボーナスがつくのはANAカードの特権です。これを利用しない手は無いでしょう
以上の様な理由から、SFC修行を始めるにあたっては、できるだけ早い段階で発行したいSFCを決め、それと同種の通常ANAカードを発行することをオススメします。
SFCの種類と比較
SFCの整理
SFCには多くの種類がありますが、ざっくり言うと「カードグレード」と「国際ブランド」の組み合わせで考える事ができます。
カードグレードは、一般、ゴールド、プラチナの三段階。国際ブランドには、VISA/Master、JCB、Amex、Dinersの4種類です。
VISAとMasterをひとまとめにしているのは、この2つは三井住友カードが発行、管理しており、カードブランド以外の違いがほぼ無いからです。他のJCB、Amex、Dinersはそれぞれのブランドから直接発行・管理されます。
こうした前提を踏まえて、各グレード別にカードを比較してきましょう
SFC一般カード

基本スペック
ブランド | VISA/Master | JCB |
年会費 | 11,275円 | 11,275円 |
家族カード年会費 | 5,610円 | 5,610円 |
通常マイル還元率 | 0.5% | 0.5% |
マイル還元率アップサービス | 年6,600円支払うと1% | 年5,500円支払うと1% |
ANA航空券購入時の還元率 | 1.5%* | 1.5% |
搭乗マイルボーナス | 35% | 35% |
マイル有効期限 | ポイント:2年 マイル:3年 | ポイント:2年 マイル:3年 |
海外旅行保険** | 治療費150万円 賠償責任2000万円 (自動付帯) | 治療費150万円 賠償責任2000万円 (自動付帯) |
*航空券還元率は通常ANAカードと同一:https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/anacard/ichiran/
**付帯保険:https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/anacard/hoken/#wide
解説・補足
SFC一般カードについては、AmexとDinersの発行がなく、VISA/MasterとJCBのみとなります。ANA一般カードにはAmexがあるので、切り替えできると思って発行しないように気をつけましょう。
カードの特典としてはどのブランドもほとんど変わらず、マイル還元率は通常0.5%です。追加でサービス料を支払うことでマイル還元率をアップすることはでき、JCBの方が少し安いですが、それをするくらいなら次のゴールドカードを発行したほうが手間はないでしょう。
これらのカードは一度各社のポイント(ANAマイレージ移行可能ポイントやOkiDokiポイント)として還元された後、そのポイントを優遇倍率で交換できるという仕組みのため、普段はサービス料を支払わずにポイントとして貯めておき、交換する年だけ追加料金を払うという節約術も存在します。
またANAカードには、リボ払い手数料を支払った実績があれば年会費が安くなる仕組みも備わっていますが、これも手間なので自分はオススメしません。特に、JCBの方はリボ払い設定にすると通常の利用が著しく制限されるため非推奨です。
三井住友カード/ANAカード 年会費割引特典:https://www.smbc-card.com/nyukai/affiliate/ana/benefit.jsp
SFCゴールドカード



基本スペック
ブランド | VISA/Master | JCB | Amex | Diners |
年会費 | 16,500円 | 16,500円 | 34,100円 | 30,800円 |
家族カード 年会費 | 8,250円 | 8,250円 | 17,050円 | 11,550円 |
通常マイル 還元率 | 1.0% | 1.0% | 1.0% | 1.0% |
ANA航空券購入時の還元率 | 2% | 2% | 3% | 2% |
搭乗マイルボーナス | 40% | 40% | 40% | 40% |
マイル有効期間 | ポイント:3年 マイル:3年 | ポイント:3年 マイル:3年 | ポイント:無期限 マイル:3年 | ポイント:無期限 マイル:3年 |
海外旅行保険 | 治療費150万 賠償責任3000万 (利用付帯) | 治療費300万円 賠償責任1億円 (自動付帯) | 治療費300万 賠償責任4000万 (利用付帯) | 治療費300万円 賠償責任1億円 (利用付帯*) |
海外旅行保険 家族特約 | 治療費50万 賠償責任1000万 (利用付帯) | 治療費200万 賠償責任2000万 (自動付帯) | 治療費200万 賠償責任4000万 (利用付帯) | 記載無し |
付帯保険の詳細情報ソース:
VISA/Master https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/anacard/hoken/#widegold
JCB https://insurance.jcb.co.jp/cm/service/card/kojin/00030.html
Amex https://www.americanexpress.com/ja-jp/benefits/insurance/nac-insurance/travel-accident/#ana-gold
Diners https://www.diners.co.jp/ja/insurance/a_card.html
*ダイナース利用条件変更:
https://www.diners.co.jp/ja/press/inf_20241023_4.html
解説・補足
ゴールドカードになると、アメックスとダイナースが登場します。ダイナースについては、発行元としては一般カード扱いにも見えますが、年会費や還元率などから他社のゴールド相当とみてこちらにまとめました。
このクラスになると、面倒な手間なくマイル還元率が1%になります。また、海外旅行保険もグレードアップし、家族特約も付き始めます。特に、JCBは自動付帯でありながら家族も含めて保証内容が手厚く受けられます。行き帰りの航空券はマイルで手配し、ホテルはホテル特化クレジットカードで手配する、という旅行の時には自動付帯だと面倒がなく良さそうです。
Amexは年会費が34,100円と高額になりますが、代わりに搭乗券の還元率が他社よりも高くなります。SFC修行中など、飛行機に頻繁に乗ることが見えているときには、Amexも良いでしょう。マイルは1マイル=1円とは限らず、国内旅行なら2円以上、海外旅行なら5円以上の価値も目指せます。そう考えると、SFC修行での航空券50万円で1%なら5000マイル。25,000円以上得できる可能性もあり、年会費の差額をペイできます。
マイルの有効期限については、VISA/Master、JCBは各社ポイントの状態で3年、マイルに交換してからは3年、合算すると最長6年になります。一方、Amexとダイナースは、ポイントの状態であれば無期限に貯められますので、数年かけてひたすらポイントを貯めて、ある時に一気に使うなど超長期の計画をする場合には後者が良いでしょう。
SFCプラチナカード(プレミアムカード)




基本スペック
ブランド | VISA | JCB | Amex | Diners |
年会費 | 88,000円 | 77,000円 | 165,000円 | 170,500円 |
家族カード 年会費 | 4,400円 | 4,400円 | 無料(4枚まで) | 無料 |
通常マイル 還元率 | 1.5% | 1.3% | 1.0% ANA関連2.5% | 1.5% ANA関連2.5% |
ANA航空券購入時の還元率 | 3.5% | 3% | 4.5% | 4.5% |
搭乗マイルボーナス | 50% | 50% | 50% | 50% |
マイル有効期間 | ポイント:4年 マイル:3年 | ポイント:4年 マイル:3年 | ポイント:無期限 マイル:3年 | ポイント:無期限 マイル:3年 |
海外旅行保険 | 治療費500万円 賠償責任1億円 (自動付帯) | 治療費1000万円 賠償責任1億円 (自動付帯) | 治療費1000万 賠償責任5000万 (自動付帯) | 治療費100万円 賠償責任1億円 (利用付帯) |
海外旅行保険 家族特約 | 治療費500万円 賠償責任1億円 (自動付帯) | 治療費200万 賠償責任2000万 (自動付帯) | 治療費1000万 賠償責任5000万 (自動付帯) | 治療費200万 賠償責任2000万 (利用付帯) |
付帯保険の詳細情報ソース:
VISA/Master https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/anacard/hoken/#premium
JCB https://insurance.jcb.co.jp/cm/service/card/kojin/00029.html
Amex https://www.americanexpress.com/ja-jp/benefits/insurance/nac-insurance/travel-accident/#ana-premium
Diners https://www.diners.co.jp/content/dam/diners/pdf/premium/member/card/insurance.pdf
*Amexは本会員は自動付帯、家族カードだと利用付帯になります。ただし、家族特約が充実しているので必須ではないかも
解説・補足
プラチナ・カードになると、Masterでの発行がなくなります。ヨーロッパ方面によく行く方はご注意ください。
このクラスになると、年会費や還元率、付帯保険など各社各様にばらつくようになります。特に、ゴールド以下では微妙な立ち位置だったVISAブランドのコスパが相対的に良くなります。年会費は他社と比べて高くなく、還元率も良く、保険も家族特約まで含めて充実、と全体的にグレードアップしますね。
また、カードの特典としてプライオリティ・パスが付くなど、追加の特典も得られるようになります。とは言っても、全体的に年会費が高く、私にとっては最初から選択肢に入らないカード群のため、これ以上の深堀りは止めておきます。
まとめと個人的なオススメ
SFCは「カードのグレード」x「国際ブランド」の組み合わせで選べば良いことを紹介してきました。
個人的なオススメとしては、グレードはゴールドカードから選ぶのが最もコスパが良さそうです。とにかく安く持ちたいのであれば一般カードもありですが、普段遣いのカードにするにはマイル還元率アップサービスを申し込む必要があり、それならゴールドと年会費は変わりません。ゴールドなら通常還元率だけでなく、航空券還元率やボーナスマイルのアップ。加えて家族への保険の充実も狙えます。
またゴールドの中で、コスパで選ぶならJCBが良さそうです。JCBは年会費を抑えつつ家族まで保険保険まで自動付帯なのが魅力です。一方、アメックスにも航空券還元率が高いという魅力がありますので、SFC修行後にどのような生活を送るかによって検討の余地があります。
以上、今回はANA利用を中心にしてSFCカード比較を行ってきました。この記事がSFCのカード選びの一助になれば幸いです。